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新・立命館大学戦史研究所

立命館大学の登録団体である立命館大学戦史研究所の公式ブログ。戦史研の活動再開とともに復活!

 

今日の辞世の句 

食へばへるねぶればさむる世の中に ちとめずらしく死ぬもなぐさみ

木室卯雲(きむろぼううん)の辞世の句。江戸時代の狂歌・噺本作者。名は朝濤,通称は新七郎,別号は白鯉館。幕臣で,初め江戸番町,のちに下谷に住んだ。御徒目付,小普請方,御広敷番頭などを歴任。若いころ,慶紀逸に俳諧を学び,秀国編の『江戸の幸』(1774)には肖像と句が載る。狂歌をたしなみ,明和 2(1765)年京都出役の折には栗柯亭木端や九如館鈍永と交わる。その腕前は,明和5年に「色くろくあたまの赤きわれなればばんの頭になりそうなもの」と詠んで,御広敷番の頭に昇進したと伝えられるほどであった。安永5(1776)年に,それまでの狂歌を子息の藍明が集めて『今日歌集』と題して刊行した。四方赤良(大田南畝)が「狂歌をば天井までもひびかせて下谷にすめる翁とはばや」と詠んで卯雲のもとを訪れてからは,天明狂歌壇との交際も始まり,天明3(1783)年の『万載狂歌集』には24首入集している。江戸狂歌以前からの狂歌作者で天明調に参加した大長老といえよう。また,噺本『鹿の子餅』(1772)の作者としても知られている。

食べれば減る眠れば覚める世の中に 少し珍しく死ぬのも慰みだな

木室卯雲は江戸時代を代表する狂歌師です。一般的な知名度は高くありませんが、狂歌を詠んで御広敷番の頭に昇進するなど驚異的なエピソードの持ち主です。彼の笑いに対するセンスは非常に鋭かったのでしょう。江戸二色(えどにしき)という1773年(安永2年)刊行された江戸時代の玩具絵本には、当時江戸で流行した玩具88種類の描画が収録されており、各々の図に木室卯雲の題歌が付属されています。序文は太田南畝で図は北尾重政によって描かれているのですが、享保から安永年間までの玩具や児童の生活を知る上で有益な情報を提供する史料として重宝されています。その他、木室卯雲が江戸時代の庶民文化に与えた影響は多大な者があります。
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Category: 畠山首席参謀主筆! 立戦研連載企画 《今日の辞世の句》

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