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新・立命館大学戦史研究所

立命館大学の登録団体である立命館大学戦史研究所の公式ブログ。戦史研の活動再開とともに復活!

 

今日の辞世の句 

来たるも亦前ならず 去るも亦後ならず
百億毛頭に獅子現じ、百億毛頭に獅子吼ゆ

無学祖元の辞世の喝。無学祖元は中国明州慶元府(浙江省)出身の鎌倉時代の臨済宗の僧侶。諡は仏光国師・円満常照国師。日本に帰化して無学派(仏光派)の祖となる。字は子元。建長寺・円覚寺に兼住して日本の臨済宗に影響を与える。その指導法は懇切で、老婆禅と呼ばれ、多くの鎌倉武士の参禅を得た。1226年明州慶元府の許家に生誕。1237年兄の仲挙懐徳の命で杭州の浄慈寺の北礀居簡のもとで出家。1240年代径山の無準師範に参じ、その法を嗣ぐ。この頃、石渓心月や虚堂智愚、物初大観、環渓惟一らを歴参する。1262年東湖の白雲庵に移転。1275年、蒙古軍が南宋に侵入したとき、温州の能仁寺(のうにんじ)に避難していた無学祖元は元軍に包囲されるが、「臨刃偈」(りんじんげ。「臨剣の頌」とも)を詠み、元軍も黙って去ったと伝わる。なお、のちに臨済宗の雪村友梅も、元で諜者の嫌疑をかけられるが、この臨刃偈を唱えたことで許されたとも伝わる。

乾坤無卓孤筑地
只喜人空法亦空
珍重大元三尺剣
電光影裏斬春風

乾坤(けんこん)孤筇(こきょう)を卓(た)つるも地なし
喜び得たり人空(ひとくう)にして、法もまた空なることを
珍重す大元三尺の剣
電光影裏に春風を斬らん

天地には一本の竹棹を立てる余地もない
ただ喜ばしいことは、人は空であり、法も又空である。
珍重すべきは、元兵が持つ三尺の剣である。
その剣を振るったとしても稲妻のように瞬間に、春風を斬るようなものである。

1279年鎌倉幕府執権北条時宗の招きに応じて来日。鎌倉で蘭渓道隆遷化後の建長寺の住持となる。時宗を始め、鎌倉武士の信仰を受ける。1281年(弘安4年)弘安の役に際して、その一月前に元軍の再来を予知した祖元は、時宗に「莫煩悩」[煩い悩む莫(な)かれ]と書を与えた。また、「驀直去」(まくじきにされ)と伝え、「驀直」(ばくちょく)に前へ向かい、回顧するなかれと伝えた。この祖元の言葉はのちに「驀直前進」(ばくちょくぜんしん)という故事成語になった。無学祖元によれば、時宗は「神風」によって救われたという意識はなく、むしろ禅の大悟(だいご)によって精神を支えたといわれる。1282年、時宗は巨額を費やし、元寇での戦没者追悼のために円覚寺を創建し、祖元は開山となる。1286年(弘安9年)、建長寺にて示寂。享年61。墓所も建長寺にある。

この無学祖元の辞世の喝は、あまりにも抽象的すぎてもはや素人の解釈の及ぶところではありません。前半部分は「来ても、目の前にいると思わない。去っていっても、後ろにいると思わない。」くらいの意味だと推測できますが、後半部分はちょっと分かりかねます。禅の公安のような辞世の喝ですね。
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Category: 畠山首席参謀主筆! 立戦研連載企画 《今日の辞世の句》

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