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新・立命館大学戦史研究所

立命館大学の登録団体である立命館大学戦史研究所の公式ブログ。戦史研の活動再開とともに復活!

 

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合宿 

12月26日西園寺記念館にて合宿を行いました。

合宿の中で、映画『日本のいちばん長い日』(1967)を見ました。

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原作は半藤一利が1965年に書いたもの。1半藤さんは執筆にあたってできる限り関係者に会い直接話しを聞いたという。2

総じて今日観るとハチャメチャだなあと思いつつ、色々考えさせられた映画でした。

とりわけ、既にポツダム宣言の受諾が決まっているにもかかわらわず、その文面や玉音放送の原稿における言い回しをめぐって閣議が紛糾。その間にも特攻機が次々と出撃していく場面。コントラストの描写が挿入歌「若鷲の歌」と共に実に印象的です。

個人的には、この映画で、どうしても敗戦を受け入れられない青年将校たちの姿をみていて、ふと思い出したのは浅田次郎の小説でした。

浅田次郎「マダムの喉仏」3の一節。登場人物のひとりである雅美が終戦直後の陸軍幼年学校の学生を思い浮かべる場面。

壁にもたれて目を閉じると、見知らぬ夏の日のまぼろしが瞼に浮かんだ。
油蝉がかまびすしく鳴き上がる兵舎の裏山。木漏れ日の中で殴り合う少年。二人は選び抜かれたエリートだったのだろう。
喧嘩の原因は、悲しいくらい純粋だった。生きるべきなのか、死すべきなのか。長身の少年の手には短刀が握られており、ずんぐりとしたもうひとりの少年は、それを奪おうとした。
力ずくで結論を出したのではないかもしれない。草むらを転げ回りながらついに力尽き、蝉しぐれの中に並んで仰向いて、二人は選び抜かれた少年らしく、静かに話し合ったのではなかろうか。4

  
兵舎の裏山にも、真夏の赤い花は咲いていたのだろうか。木洩れ日に痩せた背を晒しながら、死に損ねた少年は意固地に生きる方法を考えたにちがいない。もし時を飛び超えることができるならば、蝉しぐれの森を駆け登って、小さな体を抱きしめてやりたいと雅美は思った。
聡明な少年の声が聴こえた。
 (教えて下さい。どうしたら自分は辱めを受けずに生きていけるのでありますか)5


昔、浅田次郎の小説を読んだときは随分感動したけれど、今となっては、終戦をめぐってどうも理解しがたい感情が渦巻いている様子に郷愁よりもむしろ滑稽さを感じつつこの映画を鑑賞しました。それでも、ラストの下村宏内閣情報局総裁の言葉が実によかった。

「あらゆる手続きが必要だよ。儀式と言った方が正しいかもしれないが。なにせ日本帝国の葬式だからね。」


1半藤一利『決定版 日本のいちばん長い日』(文春文庫、2006年)が入手しやすい。
2前掲、半藤 2006年の「あとがき」に詳しい。
3浅田次郎「マダムの喉仏」(『オール讀物』1999年6月号初出。後、単行本の浅田次郎『椿姫』文藝春秋、2001年 、文庫版 は2003年に所収)
4浅田次郎『椿姫』(文春文庫、2003年)p147
5前掲、浅田2003 p159-160

文責:鬼畜眼鏡

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